アントワネットブルー

 

 

アレンくん。君は絶対ここにいてくれると思ってた。

 

なのに。

 

「何で?・・・何でなの?アレン君!!」

 

「強いて言うなら違う世界が見えてきたんです。それでも・・・」

 

強く雨が2人の体を打つ。あの日の夢のような出来事。

 

「それでも僕はリナリーと一緒にいたいんです。」

 

そこで彼はいったん間を置いた。自分の額に浮かんだ聖痕をなぞりながら。

 

「一緒に・・・きてくれませんかリナリー。じゃないと僕は、貴女を殺さないといけなくなります。」

 

一瞬私の中の時間が止まった。

 

そしてもうあの頃のアレン君はいないんだ、そう 痛感した。

 

アレン君は優しくて絶対私に強要なんてしなかった。

 

きっと私は目を見開いていただろう。

 

「ああ、心配しなくても他のエクソシストもすぐに消してあげますよ。だから」

 

「・・・ダメだよ。私もアレン君は好き。でも教団のみんなは私の世界なんだよ?」

 

ノアになってしまった彼とエクソシストの私、共にいようとしても所詮無理な話。あの時 

 

はそうやって自分に言い聞かせた。

 

「そうですか。・・・残念です。」

 

その言葉とともにアレン君の姿は見えなくなり私の体を激痛が襲った。

 

気を失う最後に聞こえたのはファインダーが私を呼ぶ声とアレン君の声だった。

 

リナリー、愛して・・・います。

 

あのあと、私は大手術を受けて何とか助かったらしい。

 

でも、意識が戻るとベッドの上でアレン君のことを考えずにはいられなかった。

 

でも教団のみんなは私の世界なんだよ?』

 

あの時私が言った言葉。 

 

でも、今この言葉は間違っていたと思った。 

 

確かにみんなは私の世界。私は仲間という世界しか知らない。

 

でも

 

今の私にとって、アレン君は世界の一部なんかじゃない。

 

「・・・アレン君は・・・私の世界そのものだったんだ。」

 

気づいたときにはもう遅かった。

 

涙が次々の溢れ出る。今まで泣けなかった分、なかなか止まらない。

 

私が居るはずの世界が無くなったなら、私はどうすればいいの?

 

わからない。何も・・・わからない。

 

 

 

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神菜さんに頂きました!ありがとうございます。ノアレリナ!毎度UP遅くてごめんなさい(土下座)

アニメDグレのエンディングアントワネットブルーをお題に書かれたそうです。スゲー。

神菜さん、アンタをアレリナにはめたかいがあったよ(あ、調子ぶっこいてすいません。殴っちゃって結構ですよこいつ)

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